三井住友カード(旧:三井住友クラシックカード)(CL(カードレス)、NL(ナンバーレス)含む)/スマホがクレカまで変容させつつあることを実感 (4) 

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レビュー内容

発端はPayPayだったのです。

PayPayがクレジットカード決済に利用可能なクレカをPayPayカードに限定させると発表し、その後に撤回(期限先送り)した出来事(2023年5月〜6月)をご記憶でしょうか。
私は近所のパン屋さんのためだけにPayPayを登録していたもので、それならば現金払いで結構、とPayPayカード限定化発表の直後にPayPayの登録を解除しアプリを削除いたしました。何やらポイントが貯まっていたのですが、他社クレカ経由の決済しかしたことの無い私にまで独自ポイントを付与するというのはやり過ぎだと思います。こんなことをしているから自社クレカに限定したくなったのでしょう。その後PayPayカード限定化は撤回(期限先送り)されましたが、面倒事は御免こうむりたく、PayPayを復活させることはありませんでした。

さて最近、飛行機の距離に住まう親族に不幸があり、急遽移動する必要が生じました。調べてみるとその土地のタクシー会社は一社しか無く、またキャッシュレス決済はPayPayにしか対応していないとのこと。訪問して見せ付けられたのは、国道沿いのコンビニエンスストアや近年オープンした道の駅は多様なキャッシュレス決済に対応している一方、ゴーストタウン化したJRの駅周辺(駅舎も国鉄時代のものそのままです)ではコカ・コーラやサントリーの飲料自販機まで電子マネー端末の場所がパネルで埋められ、恐らくキャッシュレス決済端末はJRみどりの窓口内の発券機のみであるということ。このような土地でも店舗開拓しているPayPayは凄いなと感心いたしました。

さて現地に到着してから斎場往復のタクシーの決済はどうしようか。ドタバタと準備していたため、現金の用意がありません。住信SBIネット銀行NEOBANKの「アプリでATM」で現金を得る準備はしてあり、その土地にもセブンイレブンはありますが、立ち寄る余裕があるかどうか。
そこで、私は早朝の羽田空港ダイヤモンド・プレミアラウンジの中でヱビスビール片手に決意しました(私は平JGCで、単にファーストクラスしか空席が無かったという事情です)。矜持を捨てPayPayを一時的に登録し復活させよう、と。しかし、PayPay有効化のために必要なYahoo! Japanの認証(スマホSMSによるもの)がどうしても通りません。正しい筈のIDとパスワードが不正とされます。なるほどPayPayとは気が合います。お互いに大嫌いなのだと(なお、数日後は認証が通ったため先方が折れたようです)。

そこで思い出したのがPayPay加盟店でもLINE Payが使えるようになっていることです。更に、三井住友カード発行のVISAブランドカードであれば、決済手段として登録できたのではなかったか。とはいえ現在三井住友カードのクレカには入会しておりません。一昔前であれば、ここで終了です。既存クレカでのキャッシングを考えるところです(そもそも現金も持たずに飛行機の距離を移動しようなどと考えもしませんでした)。しかし、ここで三井住友カード(NL)です。
・スマホで三井住友カード(NL)にWeb申込。
・みずほ銀行アプリで第2暗証番号を発行し引落設定。
・Vpassアプリをダウンロードしカード情報を確認。
・LINEアプリでLINE Payを設定。
処理はわずかこれだけ。これらをその場でプレミアム・モルツを飲みながら済ませ、結果、訪問先では一切現金を使わずに用事を済ますことができました。

なお、香典や花輪代については、私は直前にATMで下ろしておりました。羽田空港T1のエアサイドには私のメインバンクであるみずほ銀行のATMがあります。JALがファーストクラスを設定している行き先にも、現金入手手段は幾らでも揃っていることでしょう。現金準備が無いという理由だけでクレカに新規入会するものか?と。はい、それがクレオタの習性です。

PayPayとLINE Payとでは最早資本は同一ですが、私は別にソフトバンクグループやZホールディングスを避けたいわけではなく、PayPay・PayPayカードに魅力を感じないだけです。一方で本カードのような取り組みを進めている三井住友カードには久々に強い興味を惹かれておりました。三井住友カードを選択する余地があるならば、私はそちらを選びます。少し前にクレカ断捨離に伴いiDが使えなくなっておりましたので、その穴を埋める意味もありました(結局一切使っておりませんが)。

後日到着のプラスチックカードには、グリーンを選択しました。クレカにはなかなか見ない色ですが私が最も好む色合いでもありますので、嬉しい選択肢です。カードベース(側面に見える色)も深い緑色のようで、大変美しいデザインです。かつてはエンボス加工されたカード番号や名義がクレカの誇りのようでもありましたが、今ではエンボスレスの方がスマートに見えます。

入会から利用までスマホのみで完結し、プラスチックカードにはカード番号すら無い。国内初の完全ナンバーレスカードはクレディセゾンのSAISON CARD Digitalですが、レガシーの一角にそびえ立っていた三井住友カードがクレカの変容をリードしていることは心強いですし、同時にスマホが様々なものを破壊し再編していることを改めて実感した次第です。

葬儀からひと月ほど置いて、久々の海外旅行としてオーストラリアを訪問したのですが、この旅程でもApple Payに登録した本カードが活躍する場面がありました。プラスチックカードの方は自宅に保管したままです。
Vポイントのさばき方は全く考えておりませんし、キャンペーンやポイント割増店舗にも無頓着で、本カードでの決済は殆ど重ねておりませんが、存在自体でクレカのこれからの進化と変化に期待感を持たせてくれるカードです。

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レビューコメント

otegaruさん
コメントありがとうございます!

コード決済ではPayPay一人勝ち状態で、他のコード決済の試みはどうも弱者連合となってしまいますよね。
PayPayは大赤字覚悟の営業努力で加盟店開拓を進めたわけですから、その開拓結果にフリーライドするのもまた不公平なわけで、コード決済は「PayPayのみ」となってしまいそうです。
AirPayやJPQRのように複数のコード決済に対応できる加盟店契約だと、PayPayの決済手数料は2.95%となり他のコード決済よりも高くなります。一方でPayPayと直接加盟店契約すると1.60%となり最安クラスとなります。こうなると、キャッシュレス決済未導入店舗が決済手段拡大に取り組もうとすると、PayPayだけをPayPayと直接契約で導入することになりがちかと思います。
クレジットカードやFeliCa系決済に対応している店舗でも、敢えてPayPayを利用している人を見掛けがちですし、当面はPayPayが盤石な気がします。

一方で、経産省が発表した2022年のキャッシュレス決済比率(URL後述)では、民間最終消費支出に対しての比率がクレジットカード 30.4%に対し、コード決済は2.6%となっています。デビットカードや電子マネーを追い越してはいますが、これらの市場を食ったわけではなく、キャッシュレス決済の底上げに貢献した、という構図になります。
現金決済が64%残っていますのでどの決済手段にも伸び代はありますが、もしもコード決済がPayPayだけになったとしたら、単体でクレジットカードに太刀打ちできるでしょうか。またコード決済普及の背景には中国からのインバウンド需要がありましたが、中国経済の今後の長期的低迷も予想されるところです。

コピー用紙1枚でキャッシュレス決済を始められるのはコード決済の素晴らしい点ですが、コード決済でPayPayとZHDが完全に代名詞化したとしたら、他の経済圏との往来が途絶えることとなり、それは勝ち筋ではなく負け筋ではないかと感じてしまいます。

私は賭け事はしませんが、もしもベットするとしたら、コード決済そのもののシェア喪失です。

https://www.meti.go.jp/press/2023/04/20230406002/20230406002.html
PayPay、頑張っていますね。何といっても使える場所が多いのはメリットですね。店舗側もどれか1つ、となるとPayPayになるんですかね。リクルートのAirpayあたりを導入すればどれでも使えるみたいですが、総費用で差が出るんですかね?調べた事が無いですが。

この前の「他社クレカ使用は締め出し」には確かに厳しい処置で、私も残高払いとPayPayカード払い限定になるなら最低限まで落とそうと思っていたのですが、結局は結構長い「執行猶予」が付きましたね。
まあ有難く自分のメイン決済カードを紐づけして使い続けようと思います。また、
この締め出しの新しい期限が来る頃には、少なくとも携帯4社のコード決済はほぼどこでも
使用可能、とかになっているのではないかな、と思っています。都合よすぎる予想かな?
ruoruo77さん
コメントありがとうございます!

PayPayカード以外締め出し策は、順番を間違えてしまったんだと思うんですよね。
PayPayカード利用の場合はポイント優遇するとか、他社カードは利用可能だけれどPayPay側のプレミアム(ポイントなど)は一切付与しないとか、PayPayカードへの誘導を図りながら他社カード決済ルートを潰す策に移れば良かったのに、と思います。少々性急だったかなぁ、と。

PayPayではPayPayカードの魅力を高める策を検討するようですので、今後が楽しみですね。私もシレッとPayPayカードに入会しているかも知れません(またLINE Payが今後どうなるかも分かりませんし)。

上述の通り、法事で訪れた土地では現金決済当たり前でありながらPayPayには普及の兆しがありました。QRコードを印刷するだけでキャッシュレス決済が可能というのは大発明ですし、PayPayは既にQRコード決済の代名詞となっています。NFC機能を搭載していないスマホもありますので、今後もPayPayはキャッシュレス普及のリーダーであり続けると感じております。
 HaNDさん
こんばんは。

為になる体験談、有難うございます。
地方ではPayPayが強いですよね~旅先でPayPayオンリーのお店に何度も出会いました。
小さな旅館では現金かPayPayのところもあります。
私は以前からPayPayカードでチャージしていたので影響無し。

HaNDさんみたいに器用にラインペイ作るなんて思いつかないでしょうから、

PayPayは大事にしようと思いました。