JCB カード S(ORIGINALシリーズ)(NL含む)(旧:JCB一般カード(NL含む)/国産国際ブランドの中高年向け(?)無料プロパー (0) 

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レビュー内容

クレジットカードは還元や特典などの実利や使いやすさがまず第一ではありつつ、個人的にはその出自の「由緒正しさ」のようなものにも惹かれます。
最近のクレカ業界はオリーブなど含めると三井住友(=国際ブランドは当然ビザでしょう)の勢いが圧倒的に思え、話題の半分くらい(かそれ以上?)はここが持っていっているんじゃ?というくらいに感じます。
片やJCB、そしてこの「S」、ごく最近リリースされたようなのにこのクレファンサイトでもほとんど話題になっていないようですが、その由緒正しさと会費無料に惹かれて申し込みました。
結論から言いますと、先日まで開かれていた「ポイントアップ祭」の時期には集中的に使うとして、その他の平常時はアマゾン専用、よってアマゾンでの購入がなければ利用額ゼロの月も出そうで、以下諸々、長くなりますが書かせていただきます。


・申し込み経緯(理由)
現金以外は物理カードしか受け付けない実店舗用として、当初国際ブランドはマスターのものを1枚作ろうと探し始めました。
ちなみにメインで使っている国際ブランドはアメックスで、サブでマスターは持っており、このマスターを今回の用途に当てても良し、また近年はプロパーではないJCBもサブで使っています。
ビザでプロパー的なものと言えば上記の三井住友なのは明らかですが、マスターでプロパー的存在となると「はてどこなんだろう?」という疑問で調べ始めると、現在の三菱UFJとかUCあたりが該当する様子、ただ券面ではやはりACマスターが良いものの、ここはリボ専用でだいぶ特殊だし…。
実利や便利さ(マスターでは少なめなタッチ対応等)を取るなら楽天カードのマスターですが、これもどうも食指が動かず…。


JCBは国際ブランドとしてはあまりパッとしない印象(もちろん個人の感想で、何となくの「イメージ」レベルの話)なのですが、一方では以前から「日本人ならJCBでしょ」という殺し文句が時折頭をよぎっていて、「お前(自分)はアメリカに魂を売ったんか!?(大袈裟?)」という思いを拭い去ることができず、それでマスター探しに疲れた頃に何気なくJCBのサイトを見たら、ちょうどこの「S」というのが出たばかりらしく、会費無料とプッシュしていました。
従来の一般カードはわずかながら会費がかかっていたようで、そんなことも知らないほど関心がなかったわけですが、ああそう言われればそうだったかもね、とうっすらした記憶、あとは無料で還元率も高い「W」系列は中高年たる自分には無理だし、という状況だったところ、会費で言えばこの「S」は救世主的な存在に映りました。
また、新規入会キャンペーン利用後に死蔵していますがみずほ銀行のJCBデビットでマイJCBのアカウントとアプリは使っていて、取っ付きやすかったというのも理由です。
そんな感じで、マスターのプロパー的存在を探していたらいつの間にかJCBのプロパーを申し込んでいた、という流れです。
日本企業の応援という意味なら提携のJCBブランドカードを使うのでも良いのですが、国産の国際ブランドにせっかくプロパーがあるのなら、またそれが会費無料なら、ひとまずお付き合いしてみますか、と。


・申し込みの流れ
某火曜日の夜、当日審査の受付時間内に申し込んだところ、数分でカード発送準備とのメールが来て、可決した様子、カードは日曜に簡易書留で配達され(=実際には不在で再配達で受け取りは休み明け、本人確認書類の提示要求は無し)、追跡番号で見ると金曜夜に郵便局で引き受けとなっており、最短で翌日お届けなどという情報も見かけた割には遅めかなと感じました。
週末いろいろやりたかったので、できたら土曜の午前中までには欲しかったですね。
本人確認は申し込み時の運転免許証番号の入力のみで、撮影画像などは求められず、引き落とし口座はネット化済みの銀行のものを申し込み手続き時に紐付け、本人確認を銀行と提携して行っているような記載が手続き中にありましたので、それで免許証番号だけで済んだのかもしれません。
年収は「年齢×10万」を少し超える程度で、枠は50~60くらいからスタートかと思っていましたが、3桁いただきました。


・カード現物
ナンバーレスでバイオマスデザインを申し込みました。
ウェブで見ると通常デザインの方が高級感はありそうですが、濃色のものは使っていくうちに色が剥げがちなので、淡色が好みです。
カード番号の記載もなく、なるべくすっきりしたデザインが好みなので、悪くないと思いますが、漢数字の「一」だという一本線、同様に「一」インスパイアだと楽天のロゴをすぐに思い起こしてしまうように、ややありがちかなと感じられ、ここでも線なしの「W」が羨ましいですね。
ウェブで見ている時点では、実店舗のタッチ非対応読み取り機にガシガシ挿して傷ついていくのも許容できる程度のお気に入り度でした。
またバイオマスデザインは白いしチープな感じなのだろうと思っていましたが、現物は光沢があって、これはこれで高級感とまではいかないもののチープという印象は受けませんでした。
いざ現物を見てしまうと、店の読み取り機で傷ついていくのが憚られる気がして(タッチ式読み取り機がもっと普及すると良いのですが)、やっぱり既存のマスターを実店舗で使えばいいやと、早くも用途に困る状態になりました。
ほぼ真っ白なカードは他にも数枚持っていますが、比べてみると黄色や赤や青っぽいなど、各々微妙に異なることに気づきました。
当カードはやや青っぽいようです。
同じJCBブランドでナンバーレスのメルカードからの連想で、ICチップも金色でなく銀色が良いんじゃ?と思っていましたが、グリーン系の文字などとの親和性で金色にしたのだと思います。


・還元率
基本は0.5%と凡庸ですが、ちょうどこの3月15日までの4カ月間にわたって「ポイントアップ祭」というのをやっており、普段行くスーパーやドラッグストアがけっこう対象になっていて、軒並み10倍(=5%)超の還元、これも当カードを申し込んだ大きな動機になりました。
他のカードでよくある、コンビニや飲食店で大幅に還元率アップという施策は、それら店舗はほぼ利用せずの私にとっては宝の持ち腐れ、スーパーやドラッグストアで還元アップというのは貴重です。
ただ、この「祭」が終わってみると、ポイントアップ店からはスーパーは激減、倍率も、いくつか高還元な店はあるもののほとんど2倍か3倍がせいぜいで、よくある1%還元カードと同等です。
ただ個人的にはアマゾンが3倍というのは手持ちカードの中では最高の還元率ですので、ほぼアマゾン専用カードとなってしまいそうですね。
「祭」は調べたら昨冬から始まったような気配で、前回は半年も続いた様子、今回は4カ月、さて次回は?そもそも毎年恒久的に開催すらどうなのか、それによって当カードの活躍度が大きく変わってきます。
これがなければ、上記の通りアマゾンのみです。


・ポイント期限と交換単位
当カードはポイント有効期限が2年と上級カードより短く、最高交換レートのプレモカードへは200ポイントから、となると年間で100ポイント(=基本還元率でいくと10万円利用)が必要になります。
当初の用途は、実店舗で日常的に月1~2万の利用なので満たせるかなと思っていましたが、上記のようにカード現物が思いのほか良い感じだったので実店舗利用は止め、普段はわずかにアマゾンで使いつつ、「祭」期間中にカードタッチやスマホなどの非接触決済でポイントを稼ぐという使い方に方向転換しました。


・利用時の挙動
新規入会その他キャンペーンがあったので、クイックペイ、スマートコード共に使っていますが、さすがは本家と言うべきか、快適です。
スマホはアンドロイドで、当カードと同じようにグーグルウォレットに登録してクイックペイとして使っている他社カードに比べ、グーグルウォレットの履歴からマイJCBアプリの履歴に入ってくるまでの日数が早いようです。
他カードだとだいたい4~5日かかるところ、2日後くらいには反映されます。
スマートコードはまだ対応店が少ないようですが、カードを作るとコード決済が付帯してくるような形で便利なので、もっと普及してほしいところですね。
月の〆は15日で確定は24日前後、私が使っている他社複数も確定まで8日程度かかるのでほぼ同等ですが、もう少し早くならないものかと思います。


・クラブオフ
これは半ば予想していましたが、やや期待外れでした。
すでに他の金融系サービスでクラブオフ会員であり、JCB版として何らかのカスタマイズがなされているのかと期待しましたが、ざっと見る限りは同じのようです。
他のサービスで入会していないのであれば入る意味はありますが、他で加入済みであれば、重複となると考えて良いと思います。
さらに、支払いもJCBのクラブオフで当カードより高還元などの他カードが使えるのかどうか、使えるとしても何となく憚られますし、同じクラブオフを使うのなら私なら他のサービスに付帯している方にて、当カードより還元が良かったり、旅行関係に使うなら付帯保険がより充実したカードで払うつもりです。


・旅行保険
ないよりは遥かにありがたいですが、海外での傷害・疾病が100万とやや手薄なので、医療費が高い国に行く場合は別途考えた方が良いように思います。


・会費
完全無料なのはありがたいですが、死蔵されるカードの維持費など考えると、「利用すると無料」等の、いわゆる「実質無料」でも良かったのではないかと思います。
上記の通り、ポイントが消滅しない程度には使うつもりなので、死蔵カードには会費を課しつつ、利用している層には少しでもベネフィットを増やしていただきたいところです。


大要はおおよそ以上で、以下余談です。


・JCBという会社について
今まで関心がなかったこの会社のことをウィキペディアレベルですが調べてみると、三和銀行や日本信販の共同で設立されたこと、社長は代々三和出身者であることなどが把握できました。
語弊があるかもですが三和というと中堅どころのイメージで(現在は三菱UFJではありますが)、もっと大手の配下にあると思ったのでやや意外です。
現況を見ますと、3メガバンク中、三菱UFJとみずほとは普通に付き合っているようで、この2行のカードではJCBブランドが見受けられるのに対し、三井住友はビザの総本山だからか見当たらず、一定の競合関係にあるのではと思われます。


・国際ブランドとして
私が普段メインで使っているアメックスブランドは、利用できる加盟店に関してJCBとのパートナーシップを打ち出していますが、これは近年始まったことではなく、黎明期からの歴史があることも初めて知りました。
プロパーカードへの力の入れ具合に関しては、何せ世界に数えるほどしかない国際ブランドの一角ですから、もしかすると稼ぎの大半は他の提携発行会社に任せて、自社のプロパーはほどほどでも良い(むしろ他社の邪魔をしないでいるべき?)ので、プロパーにはそれほどゴリゴリに力を入れていない、ということかもしれません。
そういう「余裕」というか、「なりふりかまわぬ必死さが希薄」というか、そんな印象も受けます。

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